toggle
2019-11-03

【Bespoke Order】鍛造 unMe-sU engraved Signet ring(Brass)

こんにちは。KUBUSの斎藤です。

今回もご注文くださった方とKUBUSとのこだわりがつまった、オーダーメイドのシグネットリングを制作させて頂きました。その模様を紹介します。

タイトルにあるように、今回採用した制作方法は”鍛造”技法

鍛造とは、文字通り「鍛えて造る」ということ。素材の金属を金槌などで叩くことでキュッと金属が締まり硬くなります。また、ただ硬くなるだけではなく、滑らかさや弾力性も高くなります。つまり、硬くてより丈夫、そして金属表面の仕上がりも良くなる作り方なんです。

最初の姿はこんな感じ。

鍛造BrassSignetRing地金

このままではただの金属の塊ですね。

これを金槌でトントンカンカン。指輪の完成形を想像しながら成型するためにひたすら叩いていきます。叩いていると地金が硬くなり、叩いても延びにくくなってしまい、割れてしまいやすくなるので、火を入れ急冷する「なまし」という作業を時々行い、地金に柔軟性を与えながらさらにトントンカンカン。

目的の寸法に近づいてきたら、これまた金槌で叩いてくるっと丸めます。

鍛造BrassSignetRing地金2

隙間がないようにピッチリ地金の両端を合わせたらロウ付けと呼ばれる溶接作業をします。

鍛造BrassSignetRingロウ付け後

リング状にはなりましたが、まだまだ指輪と呼ぶには程遠い姿。でも、なんだか荒々しい表情も個性的でいいなと思ってしまうのは僕だけでしょうか。笑

もちろんこのままでお渡しするわけにはいかないので、ご注文くださった方が考えているイメージを具現化しつつ、さらにKUBUSのエッセンスを加えながら、いい意味で期待を裏切るべく削り出していきます。

削りすぎてしまうとまた一からやり直しなので慎重に慎重に。その都度最適な形状のヤスリを使いながら丁寧に。

実は今回、全体的なデザインだけでなく、シグネットリングのある部分にもこだわって制作をしています。ある部分とは?の答えは後ほどお伝えしますね。どこかなーと考えながら読み進めてみてください(^ ^)

粗削りまで完了したら、ご注文くださった方に確認の連絡をします。ここで初めて途中経過を写真でお伝えするので、ご希望の方向性と違ってしまっていないかどうかドキドキです。

鍛造BrassSignetRing粗削り後

無事に合格点を頂けました!もちろん1回で合格点を頂けない場合は修正をして再度確認をさせて頂きます。

細かいところにまで気を配りながら様々な番手のヤスリを使い、鍛造ならではの滑らかさを演出すべく目で見て手で触ってひたすらにヤスリがけ。

鍛造BrassSignetRingBlog10

ある程度細かい番手までヤスリをかけられたところで、今回のもう一つの大仕事、Engraving(彫刻)をシグネットリングのフェイス部分に施します。事前にこちらから何種類かフォントを提案した中から決めて頂いているので、何度か練習彫りをして身体に覚え込ませたところでいよいよ本番です。

鍛造BrassSignetRingBlogEngraving

震える手を抑えながらゆっくり彫り進めていきます。

よし!無事彫れました!

あとは表面をピカピカに磨き上げたら、完成です!

鍛造BrassSignetRing完成
鍛造BrassSignetRing完成2
鍛造BrassSignetRing完成3

先ほどお伝えした、今回こだわった”ある部分”をお伝えします。それは、”フェイス部分の大きさ”なんです。

まだ「ん?どういうことだ?」ですかね。今回ご注文頂いたシグネットリングはフェイス部分を正方形にしています。当初その寸法は6mm×6mmの大きさでというご希望だったのですが、その後、ご注文くださった方のアイデアで寸法を「運命数(=ガバラ数秘術という占いで用いるもの)」にするというアイデアを頂いたんです。

「それいい、カッコイイ!!」いやー。これでこそオーダーメイド。KUBUSの色を出し過ぎるでもなく、ご注文くださった方のご希望そのままで制作するのでもない。コミュニケーションをとる中で湧き出るお互いのアイデアを掛け算してより良いものを作り出す。これが本当のオーダーメイドだと僕は考えています。

フェイス部分の大きさはご注文くださった方の運命数、そこには手彫りのイニシャル刻印、それに合わせご希望のシルエットを微調整、制作方法もそんな盛りだくさんの拘りを最大限引き立てるために鍛造技法。これにより、世界に二つと無い指輪がまたKUBUSから生まれました!

先日から少しリニューアルしたラッピング。制作年月とKUBUSのサインを手彫りしたプレートに加え、僕が普段着用しているシグネットリングで蝋封。これはKUBUSの斎藤が制作しラッピングまでしましたという証明です。(とは言っても他に制作スタッフいないんですけどね。笑)

鍛造BrassSignetRing_wrapping
鍛造BrassSignetRing_wrapping2

可愛がってもらえよ〜。と期待と心配で混ぜこぜになった気持ちで送り出します。


今回ご注文くださったO様、本当にありがとうございました!ひとつひとつを時間をかけてでも丁寧にという僕のワガママのせいで完成までお待たせをしてしまったにも関わらず、優しく待ってくださったこと感謝しています。また、笑みが溢れてしまうほどに嬉しい指輪のご感想本当にありがとうございます。一緒に最高の指輪を目指して進んでいくワクワク感を感じて頂けていたらこの上なく嬉しいです。是非いつか着用されているところを直接拝見できればと、その日を楽しみに今日も制作をしていきます!一緒に楽しんでいきましょう!

最後に、ご着用写真を送って頂いたのでこの嬉しさを皆さんにもおすそわけ。

【Made-to-order】鍛造 Me-sU Signet ring(Brass)着用写真
【Made-to-order】鍛造 Me-sU Signet ring(Brass)着用写真2

すごくお似合いです!やっぱりシグネットリング格好いい!

真鍮素材でお作りしたため、他の素材に比べ大きな経年変化を楽しむことができるので、着用頂いたことによる経年変化がさらにオリジナルの指輪へと導いてくれるはずです。ロウ付けで使用したシルバーが徐々に浮き出てきてきっと良い雰囲気になるんだろうな〜。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

【Gallery】【Bespoke Order】鍛造 unMe-sU engraved Signet ring(Brass)


KUBUS 斎藤

【KUBUSの各種リンク】

【創り手仲間】

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です