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2022-04-02

”希望”のシグネットリング

こんにちは。KUBUSの斎藤です。

今回のブログで紹介をするのは『”希望”を表すシグネットリング』。

まずお伝えしたいのは、制作の模様を紹介する前にこれから述べることは、こちらのシグネットリングをご依頼くださった方のお気持ちを表すものではなく、あくまでもKUBUS斎藤の考えであることをお含み置きくださいm(_ _)m

皆さんも日々の報道等でご存知かと思いますが、およそ1ヶ月前からロシアによるウクライナ侵攻が行われています。つまり、戦争です。

ブログやインスタグラムでの投稿やラジオ配信等でも発信をし続けているように、以前からKUBUSは、制作活動を通して”世界平和”を実現するという夢を抱きながら歩み続けています。

そんな中、その夢を真っ向から阻む「戦争」がまた始まったことに胸を痛め、「どうして?」「どうすれば平和な世界に辿り着ける?」「そのために自分には一体何ができる?」と思い悩み、自分の考えを持ち、間違った方向へ傾きそうになった時にはそれを修正するために、多角的に情報をキャッチすることを心がけながら生きています。

もちろん、ほとんどの人々は戦争反対の立場をとっているかと思います。ですが、世の中を見渡してみると、例えば「軍備を増強させるべきか否か」「核共有をするべきか否か」「憲法を改正するべきか否か」など、同じく戦争反対を目標に据えていても、そこでまた対立が生まれています。(もちろん、中には戦争反対の構えをしているようで実は全くそうではなく、この混乱を利用しようとしている人々もいますが、、、。)

各立場についての詳細をここで書くことはしませんが、戦争をこの世界から廃絶するためにはどうしたら良いのかという対話をろくにせず、「攻められた時のために」と考えるのはあまりにも短絡的で稚拙であると僕は思います。

今回のロシアによるウクライナ侵攻だけでなく、世界のあらゆる地域で人権を軽視した問題が起こり続けています。日本も例外ではありません。

どちらか一方、もしくは両者が相手を制圧するために拳を握り立ち上がるのではなく、対話の席に着き相手の手を握ることからコミュニケーションを始めるのが当たり前の世の中にしなければなりません。

それを実現するのは僕たち一人一人です。全員のやり方が同じである必要なんてありません。一人一人のスタイルで”希望を持って”平和を創っていきましょう。

KUBUSはこれからもシグネットリングを通して世界平和を実現していきます。

前置きが長くなってしまいましたが、伝えなきゃとこの場を借りて僕の考えを書かせてもらいました。

今回ご依頼を頂いたのは、希望を持つことが大切だと改めて教えてくれたシグネットリング。

ご依頼くださった方のお父さまがお好きな言葉で、ご本人も小さな時から大切にされている言葉である「HOPE」を刻んだシグネットリングを、ご自身も父となることを機にその決意と共に身に着けたいとオーダーを頂きました。

制作をさせて頂くにあたって、最も基本となるのが「号数」です。これが実は結構難しい、、、。汗

季節によってその感じ方は異なりますし、一日の間であっても快適だと感じる号数は変動します。また、必ずしも最適解がある訳ではなく、お好みによっても多少の前後があります。

例えば、僕は手を使って細かい作業をする時間がほとんどなので、なるべく着用中に指輪が動いて欲しくありません。だから、ング〜ッと力を入れなければ着脱ができないくらいにギャンギャンにキツめの号数を選んでいます。(様子が伝わるようにこんな表現にしてみましたがいかがでしょう?笑)

正解が一つではない号数選びだから、なるべくじっくりと採寸をして頂けるよう、KUBUSではリングゲージの貸出もさせて頂いています。

〈リングゲージの貸出について〉

そして、次にポイントとなるのがシグネットリングのシェイプとフェイスサイズ選び。これまた手指とのバランスやお好みによって変わりますから、リングゲージの貸出をご利用頂いた際にはサンプルも一緒にお送りし、お手元で基本となるシグネットリングを実際にご覧頂きながら、どのような形状が良いかご検討頂くこともできるようにしています。

今回もそれらをご利用頂き、ご依頼をくださった方とコミュニケーションをとりながら「号数」と「シグネットリングの形状及びそのフェイスサイズ」を決めていきました。

そうして決定したご依頼内容は、「Circleシェイプ(Face size:13mm×13mm)」で「K18YG」のシグネットリング。そして、フェイスに手彫りするモノグラムは「HOPEの4文字+ベルのモチーフ」(”紋章のようなデザイン”)。

ここまではどうしてもご依頼くださった方に多くのご協力を頂かなくてはなりませんが、制作内容が決まればKUBUSがそれを表現する番。

それでは参りましょう!

例のごとく、ある程度形になった姿から。

造型作業中の姿

実はまだこちらは造型作業中の写真でして、もう少し細部を追い込みたいなという状態。ご依頼をくださった方から、フェイスサイズが大き過ぎるかもしれないとご連絡を頂いたので、ここで一旦お送りして途中フィッティングのご協力をお願いしました。若干の余白を残した状態に留めたのは、ご確認後にある程度の調整が可能なようにしておくため。

途中フィッティングの結果、フェイスサイズもその他の造形や号数もバッチリ合格を頂けたので、細部を追い込み造型作業完了です!

表面をいくつもの番手のヤスリで研磨したら、彫刻台へセット。ご希望を伺いながらオリジナルで作成したモノグラムデザインを下書きしていきます。それがこちら。

モノグラムデザイン下書き

「HOPE+ベル」の紋章のようなデザインのモノグラム。「HOPE」を”誓い”と捉えてモノグラムを作成させて頂きました。「希望」と聞いた時に、まず思い浮かぶのは明るく温かい雰囲気なのではないかと僕は思います。ですが、希望を持ち続けるためには強さも必要ですし、もっと言えば、自分との約束を強く結んでいなければならないと感じています。どんな時でも希望を持ち続け、前を向き続けるためには、その約束が”誓い”とも言える程でなくてはならないのかもしれません。それを表現すべく、どこか教会を思わせるようなモノグラムとなるようデザインしていきました。教会の鐘を想起させるモノグラム上部のベルは、ご依頼くださった方のお名前に由来するモチーフでもあります。

モノグラムに込めた意味を更に強く表現すべく、シグネットリングへ深く手彫りで刻み込んでいきます。

手彫りを終えた姿がこちらです。

手彫りを完了した姿

スタンプするとその迫力がより伝わるかな。

シグネットリングでスタンプをした姿

仕上げ磨きをしたら遂に完成です!

オーダーメイド,サークルシグネットリング,K18,手彫り彫刻HOPE+ベル,完成写真

オーダーメイド,サークルシグネットリング,K18,手彫り彫刻HOPE+ベル,完成写真2

オーダーメイド,サークルシグネットリング,K18,手彫り彫刻HOPE+ベル,完成写真3

オーダーメイド,サークルシグネットリング,K18,手彫り彫刻HOPE+ベル,完成写真4

オーダーメイド,サークルシグネットリング,K18,手彫り彫刻HOPE+ベル,シーリングスタンプ

実はもう一つ、大変に嬉しいご依頼がこちらのシグネットリングに込められているんです。それがこちら。

オーダーメイド,サークルシグネットリング,K18,裏面KUBUSロゴ機械彫り

KUBUSのロゴを機械彫りでフェイス裏に入れさせて頂きました。KUBUSのシグネットリングだけでなく、KUBUSというブランド自体に魅力を感じているからロゴを入れてほしいとお伝え頂きまして、指輪に刻むのは何だか少し照れくさいのですが有り難く入れさせて頂きました^^

オーダーをくださったSさん、ご依頼本当に有難うございました!そして、二人のお子さんのお父さんとなられたこと改めておめでとうございます!!Sさんにとっての記念すべき機会に立ち会えてすごく幸せです。これから奥さまやお子さんたちと様々な出来事があるかと思います。どんな時でも希望を持って歩んでいく一助にこちらのシグネットリングがなれば嬉しいです。いつかお子さんが大きくなった時にはこのシグネットリングを受け継ぐのか、それとも新たにKUBUSで作るのか、今から楽しみですね!笑

平和のためにシグネットリングそれ自体にできることはほとんどないかもしれません。でも、シグネットリングを着けている人ができることは無限大だと信じています。シグネットリングを着けていれば今を生きる力が湧いたり、一人ではないと感じることができたり、希望を持ち続けられたり、、、。KUBUSはこれからも平和のためにシグネットリングを創り続けていきます。


KUBUS 斎藤

【Gallery】Hand Engraved Circle Signet Ring「HOPE,Bell」(K18YG)

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