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2023-12-31

2023年も有難うございました!

こんにちは。KUBUSの斎藤です。あっという間に今年も終わろうとしていますね。今年も例年通り、特に決まった年末年始の休暇は設けないつもりでいます。いつも通りに過ごしている方が落ち着くんです。ただ、いつもより少しのんびりペースでやろうとは思っています。

毎年12月になると年末の挨拶を考え始めるのですが、結局いつもどんな風にして皆さんへのお礼とメッセージを伝えるかほとんど固まらないまま、こうして年末ギリギリにパソコンに向かっています。

ありきたりな文章でお茶を濁すようなことをしたくはないから、今年も自分の言葉でKUBUSの一年を締め括ってみたいと思います。

振り返ってみると、今年は2月にオーダー受付を一時休止し、6月に受付再開、そしてその後すぐに再度受付を締め切った後に翌月再び再開と、2023年が始まってから半年近くご依頼受付を休止していました。そんなに長くオーダー受付を止めていたことをほとんど覚えていなかったのでブログを振り返りながら少々びっくりしています。

オーダー受付一時休止の判断をするのは、それだけ忙しくさせてもらっているということですから、もちろん非常に有難いながらも限界を超えかけてしまっていたのでしょうね。その頃の記憶があまりございません。その期間に制作した作品を見れば、それをご依頼くださった方のこと、作品を制作する上で感じていたことや考えていたことを思い出せるのですが、自分自身のこととなるとやっぱりよく覚えていません、、、。(このブログを書き始める前までは、今年は自分のペースでゆっくりながらも安定した心身の状態を保ちながら着実に歩んで来られたと思っていたのに!笑)

それでも良いのです。今こうして楽しく一年を振り返りながら皆さんに向けてブログを書けているのですから。忙しくてオーダー受付を一時ストップする程に引く手数多な創り手になれるなんて、KUBUSを始めた頃の僕が知ったら腰を抜かすだろうと思います。皆さんのおかげで毎日KUBUSをすることができています。本当に有難うございます。

皆さんにとっての2023年はどんな年でしたか?一年を通して全部が全部楽しい笑顔で溢れた思い出ばかりなんてことはないと思います。お一人お一人、やりきれない気持ちになってしまうような瞬間もきっとあったはず。それでもこうしてまた今年もこの時期を迎えることができているのですから、よくぞ今年も頑張りました。一緒に互いを自分を褒めてあげましょう。

KUBUSの外に目を向けてみると、目を背けたくなるような痛ましい事件や怒りを通り越して呆れてしまうような出来事も沢山ありました。いや、まだ終わっていないことばかりなので沢山あります、ですね。

そのようなネガティブな事象に対して、今年は特に”芸術の力”とは何かと考える一年でした。

社会情勢が不安定になると真っ先に切り捨てられるものの一つが芸術です。コロナが騒がれ出したあの混乱期を思い出してみてください。”不要不急”という言葉で分断を生み出し、大掃除で断捨離をするように「今すぐになくてはならないことでなければ別にいらない」と弾き飛ばされます。

そんな冷酷な断捨離をした後のあの独特の暗い淀んだ空気感は忘れられません。正直なところ、今もその雲はあの時ほどではないにしろ頭上にかかっていると僕は感じています。むしろ、あの時ならすぐに払い除けられたかもしれないけれど、それを受け入れてしまったがために社会にどんよりした空気感が染み込んでしまい、あの時よりもそれを拭い去ることが困難になっているようにも思います。

芸術がなくても生きていけるというのは確かにそうかもしれません。でも、その”生きていける”は「(人間らしく、文化的に豊かな人生を)生きていける」ではないということを理解していなければいけません。人間らしく、文化的に豊かな人生を歩むためには芸術が必要不可欠です。

僕は後者の”生きていける”を生きていきたい。

話は少し変わりますが、先日地域のオーケストラが主催するコンサートに行ってきました。会場には赤ちゃんからお年寄りまで沢山の人々がいて、文字通り老若男女を体現しているような客席でした。演奏中に赤ちゃんが泣いたって誰も怒りはしないし、特段気にもしない。演奏を止めて泣き止むのを待つのでもない。赤ちゃんの泣き声も楽器の一つのように当たり前にそこにあって、みんなで演奏を楽しむ。演奏をする側もそれを聴く側も。芸術は等しくみんなのために開かれているのだということを見せ付けられて、演奏を聴きながら涙が溢れそうになりました。なんて平和な空間なんだ。世界中がこの空間で包まれたらいいのに。

僕はその時確信しました。芸術は”不要不急”なんかじゃない。むしろ、世界中に今すぐ必要なんだ。芸術は深く染み込んでしまったどんよりした雲をカラッと晴れやかに澄み渡らせる光なんです。それこそが”芸術の力”なんです。

これからも僕は”芸術の力”を信じて制作していきます。KUBUSを通して皆さんにもその光の温もりを感じていただけたら嬉しいです。

果たしてこんな年末の挨拶を誰が読んでくれるのでしょうか。笑 もしここまで読んでくださる方がいましたら、このブログを書く前より少しは世界が平和になったかもしれません。

改めて、2023年も本当に有難うございました!来年もどうぞよろしくお願いいたします。皆さんにとっても2024年が光の溢れる一年となりますように。

小さな作業部屋から感謝を込めて。


2023年12月31日 KUBUS 斎藤柊真


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