2020-02-17

【Bespoke Order】Hand Engraved 『10KYO』 Square Signet Ring(9ct Gold) KM

こんにちは、KUBUSの斎藤です！今回オーダー頂いたのは、以前オーダーメイドで制作したスクエアタイプのシグネットリングを基に新たにデザインをしたシグネットリングです。

オーダー内容は、「スクエアタイプ(10mm×10mm)のシグネットリング」、「素材は9ct Gold」、「温かみのあるデザイン」、そして「モノグラムの手彫り」。

スクエアタイプなのでフェイス部分が四角ということですが、カクカクとした印象にならぬよう、全体的に曲線を綺麗に使ったデザインを意識し指輪自体の制作をしました。ただ、あまりボテっとした雰囲気にしてしまうと野暮ったくなってしまいますし、ご着用頂いた時に邪魔に感じてしまうことが考えられるので、なるべく左右への張り出しを抑え隣の指への干渉を少なくするのがポイントです。

だって、シグネットリングはご着用くださる方のアイコンになるような指輪であった方が格好いいじゃないですか。いつも指元にあるみたいな。そんなファッションを通り越した、ご着用くださる方やその周りの方々に愛されるシグネットリングを作りたいといつも意識をしています。だから今回も、ただデザインが格好いいだけじゃなく、着用していてストレスのないシグネットリングということを大切に作りました。

指輪自体の粗削りが完了したところでご注文くださった方にご報告。イメージされているものになっているかの確認です。

制作に取り掛かる前に、ご注文くださった方と何度かやり取りをしてお互いのイメージを合わせた上で作業に移るのですが、それでもこの確認の連絡はドキドキします。汗

無事合格通知を頂くことができました！ここから先は様々な番手の紙ヤスリを使い、温かみのある雰囲気をさらに追求するとともに指馴染みも良く仕上げていきます。

最終仕上げの手前までヤスリがけができたところで重大ミッションがもう一つ。シグネットリングフェイス部分へのモノグラムの手彫りです。指輪自体の制作と並行してご指定頂いたアルファベットでモノグラムもデザインしました。

モノグラムのご希望内容は「KとMを使って東京タワーや港区のような雰囲気に」。

わお！何だか難しそうだけど、デザインするの楽しそう！！

と、楽観的に捉えていましたが、港区についてそんなに詳しく知らない斎藤。色んな港区の景色を調べまくりました。インターネットに載っている写真だけでなく、自分の記憶の海にある港区の景色を引っ張り出してひっくり返して、とにかく自分の頭や心に港区の風景をインストールしまくります。ご注文くださった方から、以前KUBUSで手彫りしたKの文字が東京タワーのようだとアイデアを頂いていたのでそれをもとにグルグルグルグル。

、、、よし！思いついた！！！

そんなこんなでいくつかご提案し決定したデザインがこちら！！

レンボーブリッジ（M）から見える東京タワー（K）の景色を再現しました。また、それと同時にこのデザインに込めたかったのは、日々たくさんの人々が行ったり来たりする東京の人の流れ。港区というThe 東京！！な街だからこそ、その景色には人は不可欠かなと思ったんです。「賑やかすぎて疲れちゃうけど、でもやっぱすごい街だよ東京」が僕の中での裏テーマです。笑

ご注文くださった方にこのデザインをお見せしたところ、すぐにデザインに込めた意味の多くを感じ取って頂けて嬉しいと同時にビックリ。すごく気に入って頂けたようで良かったです。

それではいよいよ手彫り作業へと移ります。

シグネットリングへ彫る前に練習彫りをし、今回のモノグラムを彫る時に特に気をつけるべき箇所をハッキリとさせていきます。それと同時に、手彫り時に使うタガネという道具の刃の調子もチェックしていきます。練習彫りで納得できるものになるまで実際の指輪には彫れないので、練習と言えども気が抜けません。

無事イメージ通りの練習彫りができたのでいよいよ本番です！！

刃を研ぎながら集中集中。研ぎ終わる頃には、僕の心は普段と違う世界に、、、。

一彫り一彫り、力を入れすぎぬよう意識し、目の前の彫るべき箇所とそのちょっと先を見据えながら慎重かつ大胆に。

よーし！！できた！！！

あとは仕上げ磨きをしたらようやく完成です！

手彫りした箇所がキラッと光るその姿は、まるでライトアップされた夜景のよう。あら、ロマンチック！！照

今回もご注文くださった方とKUBUSとのスペシャルコラボレーションの、間違いなく世界に一つだけの指輪がここに爆誕しました。

ご注文くださった方と指輪との初対面をより感動的な瞬間にするべくラッピング。僕が常に着用しているシグネットリングで蝋封する瞬間は、手塩にかけた我が子が旅立っていくような（その経験はないんですけどね。笑）、寂しいような嬉しいような心配なような、そんな気持ちになります。「すごく素敵だから大丈夫！頑張ってこいよー！」

僕自身が納得できるものになってからお届けしているのですが、やっぱり実際に見て頂けるまでは心配です。

ご注文くださった方から「最高です！想っていた以上の作品！御守りです。」との、もう最高に嬉しいお言葉を頂くことができました！あー本当に良かった。これでようやくホッと安心できます。

今回ご注文をくださったKさま、ご注文ありがとうございました！街をテーマにしたモノグラムデザインはKUBUSにとって初めての経験で、僕自身すごく刺激的で楽しくデザインをさせて頂きました！もちろん、指輪自体もお話をさせて頂きながらこだわり抜くことができましたので、モノグラムに負けないものになっているはずです！制作過程を物語のように捉えてくださったこと、それは僕が普段から制作をさせて頂く時に大切にしていることなので、それを感じてくださり感動しました。KUBUSが行うジュエリーの制作作業は、ご着用くださるお一人お一人の歴史を刻んでいくための準備をすることでもあると考えています。たくさんたくさんご愛用頂き、これからこのシグネットリングに歴史を刻み、よりオリジナルのものにしてもらえたら嬉しいです！！

最後まで読んでいただきありがとうございました！

KUBUS 斎藤

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