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2019-10-17

【Regular item】 Oval Signet Ring『最高のシルエットと着け心地のシグネットリング』

KUBUS製シグネットリングに新たな製品が仲間入りです!

これまでKUBUSで制作してきたシグネットリング達は、真鍮六角ナット削り出しか、シルバーの地金から切り出し、叩き、削って作る地金加工のみでした。

この方法が今KUBUSで出来るベストな作り方だと考えていましたし、今でもそう思っています。

削り出しや地金加工でひとつひとつ仕上げた指輪ってなんとも言えない特別なオーラがあるんです。だから、「皆さんに大量生産ではない世の中に一つだけの指輪を届けたい、知って欲しい。」という思いで、この方法にこだわってきました。

でも、この作り方に問題点がない訳ではありません。

その問題点は、販売価格が上がってしまうということ。どうしても、ひとつひとつを一からこの手で制作するとなるとそれだけ労力を用するので、その分お届けするためには販売価格を上げなくてはならなくなってしまいます。

「”なくてはならない指輪”をもっと気軽に楽しんでもらいたい」

これに関して、以前から何か良い方法はないかグルグル考えていました。そんな時、鎌倉のアクセサリー職人の方にお話を伺う機会がありました。そこで僕の今までの制作に対する考え方にピリリと新たな刺激を頂くことができました。その方の作り方はKUBUSとは違い地金加工メインではなかったんです。

その作り方というのが「鋳造(キャスト)」と呼ばれる方法。

鋳造(キャスト)という作り方は、簡単に言えば、”溶かした金属を型に流し込み同じ形をした物を素早く、時には一度に大量に作ることができる製造方法のこと”です。

もちろん、鋳造とはなんぞやということを知ってはいたんです。仕組みを知った上で、型を作って何個も同じように作れてしまうやり方に魅力を感じなかったのでKUBUSではその方法を避けていました。セレクトショップなどで販売されている流行りの指輪たちのほとんどが、この鋳造という方法で制作されています。そのような指輪と、KUBUSの製品だけではなく、他の職人さんが地金加工で制作された指輪とを見たときや触れた時の感覚がまるで違うというのが鋳造製法を避けてきた大きな要因のひとつでした。

誤解を恐れずに言えば、「鋳造ではカッコイイ指輪は作れない」と思っていたんです。

でも、その鎌倉の職人さんが作る鋳造の指輪を拝見した時にデザイン云々ではなく、纏う雰囲気をカッコイイと思えるものがありました。また、その職人さんから鋳造で作るメリットを教えて頂くことができ、そして、鋳造でカッコイイ指輪を作るための作戦も思い付いたので、「これはやっぱり避けては通れないな」と次の日には鋳造で指輪を作るための準備を整え制作を開始したのです。

早速作業開始。今回は「ロストワックス鋳造(ロウソクのような素材から指輪のデザインを作り出し、そこに溶かした金属を流し込むことで型を作り鋳造する製造方法。)」で形作っていきます。普段は金属をゴリゴリ削っているのであっという間に削れてしまいます。汗 地金加工とは違い削りすぎてしまってもやり直しが簡単にできる点もワックスで形作る強みです。

今回制作をするのはシグネットリング。僕が指輪の中でも特に大好きなデザインです。色々なシグネットリングを見て作ってきたからこそのこだわりを随所に詰め込んでいきます。

形作りとヤスリがけ、仕上げを終えたワックスの姿がこちら。

cast signetring wax

鋳造が上がってきた後に理想形へと仕上げていきたいので、ここでキッチキチに完成形を出してしまうのではなく、ある程度余裕を持たせた形状に留めておきます。

そして、鋳造作業から上がってきた姿がこちら。

cast signetring after

なんとなく輪郭が全体的にボヤーっとしてますね。ここからはいつもやっている金属加工です。この状態のまま一気に仕上げてしまっては、今まで見てきた鋳造で作られた指輪を見た時のガッカリ感(全てではないですよ?多くの物たちに対してということです。汗)が出てしまうので、しっかりと細部まで追い込みデザインと指へのなじみ良く仕上げていきます。このように、一つ一つの号数に合わせ手作業で仕上げていくことでオーダーメイドでご注文いただいた時のようなフィット感を実現していきます。

こちらが途中経過

cast signetring ヤスリがけ中

徐々に良くなってきました。

さらに追い込み、仕上げ作業の手前までできました。鋳造直後の姿と比較するとこんな感じ。

cast signetring ヤスリがけ後
cast signetring ヤスリがけ後2
cast signetring ヤスリがけ後3

ボヤッとしていた輪郭がハッキリとしました。それではいよいよ仕上げ作業です。

その完成形がこちら!

cast signetring 完成
cast signetring 完成2

cast signetring 完成3

写真内の指輪サイズは10号です。

  • 顔部分サイズ:縦13mm 横11mm
  • 素材:Sterling silver(Sv925)
  • 価格:¥30,000+tax

顔部分の大きさや縦横比、顔部分の厚み、顔部分から腕部分にかけてのくびれ加減、手のひら側に来る腕部分の幅や厚みや形状、、、。書き出せばキリがない程にシグネットリングをシグネットリング然とさせ、セクシーかつエレガント、そして格好いい佇まいに仕立て上げるための大切なポイントは無数にあります。シグネットリングと名の付く指輪は日本でも少しづつ増えてきましたが、名前は同じでもその佇まいには一つ一つに個性があります。どれが良くどれが悪いということではありませんが、KUBUSで今出来る最高のシグネットリングへのこだわりを全て詰め込みここに実現しました。

それでは着用写真もどうぞ!1か月ほど外さず常に着用していたので傷がついていますが、それもイイ味になっています。

cast signetring 着用写真
cast signetring 着用写真2
cast signetring 着用写真3

レギュラー展開していくのはSterling silver(Sv925)。

ですが、型がある利点を生かしてご希望の素材で制作をさせて頂くことも可能です。削り出しで制作する場合、どうしても形作るために削り取る必要がある地金が多くなってしまうため、金などの地金価格が高価な金属で制作した際に、現実的な価格で皆さんにお届けすることが難しい場合があったのですが、鋳造製法を採用することでなるべく地金価格を抑えて制作させて頂くことができます。金は日々変動する地金価格が販売価格に大きく影響するため、お問い合わせを頂いたタイミングで詳しいお見積もりをさせて頂きます。どうぞお気軽にお問い合わせください(^ ^)

こちらが同様の型を使用し、K9(9カラット)の金で制作をしたシグネットリングです。

cast signetring GOLD

cast signetring GOLD2

写真内の指輪サイズは4号です。

「これは鋳造、これは地金加工」などといったように、あえて作り方を紹介しない場合もあるようなのですが、KUBUSでは、作り方も大切な個性の一つだと考えておりますので、製造方法も明記してまいります。

なるべく多くの方にKUBUS製シグネットリングの魅力が伝わって欲しいという願いを込めて、今回もいたるところにこだわりをギュウギュウに詰め込んだ指輪が完成しました。ご注文のご連絡はもちろん、少しでも気になる点ございましたらお気軽にお問い合わせください。


最後まで読んで頂きありがとうございました!




KUBUS 斎藤

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コメント2件

  • 越智 明彦 より:

    はじめまして。HP見させてもらってシグネットリングの購入を考えています。
    種類や着用感見てみたいので直接そちらのお店の方で見ることはできますか?

    • KUBUS より:

      はじめまして。KUBUSの斎藤と申します。お問い合わせありがとうございます。
      先程メールにてご返信差し上げましたので、お手隙の際にご確認くださいませ。

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